会の概要
 21世紀の珠算を考える会は、年に一度、全国から珠算教師が一同に集まって研鑽をつむ、珠算指導者のための宿泊研修会です。
 昭和61年、前世話人の先生方によって設立され、16回の開催を経たのち、平成17年に現世話人に引き継がれて、現在に至ります。
 年齢、指導歴、所属珠算団体などにいっさい関わりがなく、必要なのは珠算への思いだけという研修会です。
 ホームページ開設にあたって、「21世紀の珠算を考える会」発起人のお一人である、谷賢治先生に、設立当時のことを振り返り、会の成り立ちから現在までを紹介していただきました。


「21世紀の珠算を考える会」設立から今日まで
東京都 谷賢治
 昭和52年東京で「五一研修会」がスタートした。安部学院高等学校を38歳で創設した安部元章先生は、同校を会場として教職員を動員して毎月1回研修会を開催した。開講した年には安部先生は70歳であったが、ご自分が講師となって毎回5時間の研修会を10年間にわたって続けられた。
「そろばんの掛け算や割り算の方法を、一つしか知らないのでは、そろばんの先生としては恥ずかしくありませんか」
というのが口癖でもあった。
 所属団体を問わず全国から延べ1200名に達するそろばんの先生たちが安部先生の話を真剣に聴いた。講義中の私語は厳しく禁じられた。毎月の研修会には北海道から、沖縄から、高額な交通費もいとわず真剣に学ぼうというそろばんの先生方で定員120名の教室は毎回あふれた。参加申し込みにも制限がもうけられた。次の年には受講をご遠慮いただきたいと。しかし中には5年、10年と参加された先生もいた。
 当時そろばんの関心と学習意欲は高く、どこに教室を開いてもすぐに生徒が集まる時代であった。やがて3年後の昭和55年にピークを迎え、その後長い下降線をたどる時代に入っていった。大阪、山梨、千葉、茨城、埼玉など各地には安部先生の教えをさらに学習しようとする研究会もできた。
 昭和61年、80歳になった安部元章先生はこの五一研修会を閉じられた。その年の4月、五一研修会参加者の有志19名が、愛知県三ヶ根グリーンホテルに集まった。国鉄が民営化された年である。
 五一研修会では真剣に聞く会であったが、今度はそれぞれが持っている考え、主張、地域の様子、自分の教室の教材などの資料も持ち寄って、みんなで考え、真剣に語り合おうというというのが趣旨であった。
 そのとき参集したのは丹治八郎、上原正次、鬼頭賢太郎、平瀬重雄、多田賢治、原田博、谷賢治他の19名である。会の名称は「21世紀の珠算を考える会」と決定した。会長・会則・会費などは設けずに、毎年開催する地域の先生が担当世話人になって運営にあたるなどが決められた。
 参加者は1回から13回までは毎回50名以下であった。第14回(平成11年奈良県)が70名、第15回(平成12年東京都)ではついに100名に達した。
 その間、会の名称を変える動きがあったり、「考える」だけでなく何か具体的なものを制作しよう、若手の育成のために希望する先生の教室で短期間の見習い勤務制を設置しよう、などの案が出たりした。
 やがて参加者が次第に増えるとともに、会の運営面からも著名な講師を招いての開催に発展し、これがまたさらに参加者の増加につながった。平成17年の第17回大会(兵庫県)から、世話人を若手に切り替えたことも発展の一因になった。
 しかし創立当初からの目的であるみんなで考え、意見を発表し、自前の教材を提案し、語り合うという姿勢は続いて今日に至っている。


 現世話人による運営も定着し、参加者が毎回100名以上となるほど大きく拡大しましたが、設立以来続く、「参加者自らが発信する」という、会の基本理念は変わりません。
 珠算への熱い思いがある方ならば、かならず得るものがあるはずです。ぜひご参加下さい。


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